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Tommymoo's Garden

Syunran

Genus: Cymbidium.

Species: Cymbidium goeringii.

Mar 2011 fm JP

春蘭の特徴:
春蘭は「直射日光」の強い暑い環境は嫌う
遮光率の高い環境下なら根も貯水タンクの特徴を持つ為、割と渇水には強い。
冬場、冷たく乾いた寒風吹き荒ぶ場所も嫌う。
根は地面を掴む様に拡がるだけで、固く締まった土中に深くもぐる事は無い。
極端に乾燥した固い土質、通気性や水捌けの悪い土質や地形を嫌う。

つまり、夏でも然程暑く無く、冬でもそれほど寒くない、通気性も良くて適度に湿度もある、
そんな理想的な環境下で静かに省エネ生活を送っている、という植物だと言えます。

春蘭の育て方のヒントともなる自生地での状態:
春蘭は自然界では雑木林など、日中でも木漏れ日が差す程度で50%前後の遮光率のある、夏でも割と涼しい、光は差すが直射日光は当たらない環境にしか生えていません。つまり、タンポポや向日葵のような、焼け付く直射日光下で生える植物とは違う事が解かります。
雑木が全伐された為”日覆い”が無くなり直射日光下に剥き出しにされた株を見ると、本来深い緑色をしていた葉は薄い黄緑色へ変色し、やがて茶色に枯れてしまいます。
これは葉から蒸発する水分を減らす為の彼らの適応で、その状態でも彼らの特徴でもある貯水タンクの機能を持った根やバルブはまだ生きていますが、その環境のままではやがて本当に枯れてしまいます。
よって渇水には割と強いとは言え、それはあくまで夏でも涼しく余計な水分を奪われにくい雑木林の下など、本来彼らが求める環境下での事です。

またクヌギやブナ、コナラ等の落葉樹で構成された雑木林下を観察してみると、秋冬、大量の落ち葉により春蘭はかなりの部分がふんわりと埋まり、直接的な寒く乾いた外気や寒風、冷たい積雪から守られている事もわかります。被さった落ち葉の上に雪が掛かった状態でも、
それはまるで”カマクラの中の状態”に近く、直接寒風、雪の吹き荒ぶ剥き出しの道端とはかなり違う守られた環境にある、と言い換える事も出来ます。春蘭の育て方のヒントになります。

そして根ですが、自生地(自然界)では地面深く潜る事は無く、
地面に対して殆んど平行に拡がっています。
地面を掴んでいる、と言った表現が解かり易いかも知れません。
そしてその拡がった根の上に腐葉土、落ち葉がふんわりと通気性良く被さっている、という状態になっている事が多くの自生地で見受けられます。また多くの場合、水捌けの良さそうな斜面に生えている事からも、あまり常時水気の多い場所は嫌っている事も解かります。

Photos of this plant